「この一年を経て」①

今年ほど混迷をした年はなかったかもしれません。

考えては立ち止まり、進まなければと焦ったり。

何が大切で、何がそうではなかったのか気づいたり。

時間がたっぷりあると思えば、足りないくらいになったり。

あたりまえに会えた人にも会えなくなり、その間のお互いの変化に、とても数ヶ月の間に起こったこととは思えないこともありました。

外からの事象に揺さぶられながらも、自分の内へ内へと入って行く 必要があった年だったように感じています。

私の場合で言えば、コロナが騒がれ出した4月の頃と時を同じくして、 咳が止まらないという不調に襲われ、自分のからだに向き合わざるをえなかったことが大きな出来事でした。

苦しい、辛い、不安、動揺など、マイナスの方へと行く中で、 いろいろな情報に翻弄もされました。

結局その時に助けられたのは、人の生の言葉や、自分を保つための呼吸や手当など、そして時間の過ごし方でした。

時間だけはこの時期、ゆっくりと流れていました。

空や雲、草木や鳥たちの姿や鳴き声に、ぽっかりと空いた心の隙間を埋めてもらい、助けられました。

少しずつ回復する過程は、自分と向き合う時間となりました。

「時間」それは有限であるのだけど、その流れの速度はその人次第で変えることが出来るように今は思っています。

時間がゆっくり流れると、心身とも整って行くことを感じたつもりでしたが、 夏休み以降の世の中の早まる一方のスピードに、影響させられてしまう面もありました。

お店も有難いことに忙しくなり、来てくださる方々に応えようとすればするほど、自分の限られた時間を自分で早めてしまい、 秋に立て続けに体調を崩してしまいました。

体調を維持しながら、店を続けていくにはどうしたらいいかを考える秋でした。

働き方をより良い方へ変えて行く必要がありました。

その中で、大切にしていきたいと浮かんだのは 「まずは自分を幸せにする」働き方です。

それには、お金というエネルギーでよりよい循環を生み出していくことも必要と、 店を手伝ってくれている『おかってさん』と呼んでいる仲間と話しをし、お互いを尊重し合いながらどうして行くかを実践し始めています。

私の思いをありのままに伝え、みんなの気持ちを汲んで行くことによって、より絆が深まっているのを感じます。

共に影響し合い、学びがあり、私にとっても歳は違えどクラスメイトのような存在です。

人と時間と心と、大事にしていきたいことを守りながら、幸せをつくっていく。

そんなイメージが浮かんでいる年の瀬です。


皆さんの2020年はどのような年となりましたか?

今年の年の瀬は、早めに営業を終え、ゆっくり時間を取り、新しい年を迎える準備をしていきます。

念願だった金継ぎや石鹸作りなど、手を使った時間も予定が決まってきているので、お知らせしていきますね。

今年も、今年こそだから、この場に足を運んでくださった皆様や想いを寄せてくださっている皆様に感謝の気持ちを込め、 締めくくりたいと思います。

読んでくださり、ありがとうございました。

店主 鈴木ともみ

- 更新日:2020年12月17日(木)