もう夜だけど、珈琲北口さんの春ブレンドをゆっくり淹れて、クッキーをかじりつつ今日一日を振り返る。
思いがけず子の寝かしつけに苦戦。
なんとなく、明日に向けてそわそわしているわたしの気持ちが反映されたのかなぁなんて思う。
明日でおしまいって感じじゃないから、ずっとお店で一緒に過ごしてきた3歳さんには店じまいのことを話していない。
話そうかなとも思ったけれど、わたしのなかでは明日はひとつの通過点、区切りに過ぎなくて、終わっちゃうから悲しいとか寂しいとか、そんな感情はなんもない。
だから、あえて言わなくてもいいのかなと思ったりして。
今日はとにかく短時間集中の前日準備。
いつもだったら当日朝いちから仕込みをするのだけれど、普段の倍以上のお客さんが来るもんだから仕方ない。
幼稚園に子を送った後、いつも立ち寄るお野菜の直売所を覗くと、元気な玉ねぎ、青梗菜、ねぎを見つけて買うことにする。
顔なじみになったおばちゃんと一言二言交わすだけでうれしくなる。
珈琲屋さんに寄り道したい気持ちをぐっと抑えて、自転車を店まで飛ばす。
大量のお芋を洗って蒸して、三年番茶を大きなやかんで2回沸かして、トマトソースをフライパンいっぱいに煮詰め、大豆を浸水、野草コーラを仕込み、カトラリーやお皿を片付け、洗った布巾をゆすいで干す。
やることはいくつもある。全部やろうとしたらきりがないし、子のお迎え時間までというリミットもある。
あえて TO DO LIST は作らず、あたまに思い描けるやっておけることの中で、思いつく順に手を動かしてゆく。
ひとりで台所に立つ間、いつもラジオをつけている。
学生の頃から聞いているJwaveは、別所さんやクリス智子さんの声に励まされる。
みれいさんと福ちゃんのラジオ「声のメルマガ」も
大和田慧さんと安達茉莉子さんの「もちよりラジオ」も
聞いているとひとりじゃないなと思えて安心する。
京都から届いたお花を花瓶に入れて、陽の当たる窓辺に置いてみる。
下から、上から眺めてはうっとりする。
あっというまにお迎え時間。
やれることはやった、はず。
あとは明日の私とみんなに頼ろう。
お迎えの後は、永遠にも思える公園あそびを眺めつつ、背中に西陽をあてながらぼおっとする。
こういう時間があることで休まっている。
休むのが少々下手な私は、こどもとの時間が生活に入ってきたことで、仕方なしに、降参して休むことをたびたび余儀なくされることできっと、守られてるものがあるんだろうなと思う。
夕方、いつも豆を買いに行くコーヒースタンド「ざるやのとなり」さんへ。
ひとりしずかに過ごす二人のお客さんがいる。
わたしもここぞとばかりにコーヒーとプリンを注文して、ずっと読みたかった本を開く。
『海辺のストーブ』じんわりよかったなぁ。続きは今度また来た時に。
ずっと読みたかった夏葉社さんの島田潤一郎さんが書いた本『古くてあたらしい仕事』を買って帰る。
去年の六月、岩手の紫波町に行った時に参加した「本と商店街」で少しお話しした島田さん、気さくなお人柄にすっかりファンになってしまったんだよな。
コーヒー豆を「mons mare」缶に入れてもらい、店主のあゆみさんに ”いってらっしゃい” と見送ってもらう。
明日は暖かくなりそうだから、炭酸水を買い足しておく。
手書きの売り上げノートに今週の記録を書きつける。
今日の仕事はこれにて完。
と言いたいところだけれど、寝る前に塩麹を仕込んでようやっとこうしてブログを書いている。
書かなくてもいいのだけれど、書いておきたくなった時には書いておこうと思うのだ。
さて、そろそろ寝ないとな。
明日が待ってる。
みんなが待ってる。