秋になり体と心を思うこと

季節は急に変わってゆくものではないのだなぁと、 この夏から秋への少しずつの変化を味わっています。

青々としていた木々の葉の外側から黄色味が加わってきたり、 元気に鳴いていたセミの声に勢いがなくなって、 代わりに控えめなジジ、リリ、と秋の虫たちが盛んになって。空を見上げると雲も日に日に夏とは違っていって。

そんな小さな変化が積み重なって、秋になっていく様子に目を向けることができました。

低気圧の発達とともに、体調を崩したことも、季節の変化を身をもって教えられた貴重な体験でした。

今朝読み終えた本「BODY JOURNEY」は、その移ろいの中で手に取れたことが、とてもタイムリーでした。

秋の訪れとともに、ごく自然な流れで始まった本屋『羅針盤ブックス』を営む相棒の娘が選書した一冊です。

ずっと温め続けていたこの屋号は、 人が生きていく中で、本はその人に寄り添い、道しるべにもなるという思いが込められいると、私は解釈していて、とてもいい名だなぁと感じています。

「BODY JOURNEY」
からだの旅と名付けられた本は、作者のつるやももこさんが、実父を亡くされた経験から、人の手によるカラダへのアプローチを実践しながら学んで、深く感じたことが綴られています。

ももこさんが出会った整体やロミロミやアーユルヴェーダなどの施術をする人からの言葉に、ももこさん自身が助けられながら前へ進んでいく様子に、 それを読む私も共感し、助けられていく。そんな時間を寄り添ってもらいました。

仕込みの途中や仕事が終わった夕暮れに、相棒とよく話をするのですが、 本屋が始まってからはしみじみと、「本はいいよね。いつでもどこでも開くことができるし、どこから読んでも自由だし。」なんて言い合っています。

借りて来たりもできますが、 羅針盤ブックスの本は、傍らにずっと置いておきたい本だねって伝えたら、 「そのつもりで選んでいるよ」って返事が返ってきました。

秋を迎えて、気持ちも鎮まってきていることを感じています。

ももこさんが本の中で、人も自然も共鳴し合っていると伝えてくれたように、 季節の移り変わりとともに、変化を受け入れ、逆らわずに、過ごしていきたいです。

そうしたら穏やかな時間に恵まれ、本をゆっくり開いたり、人と話す時間も生まれるでしょう。

この秋は、そんなことを大事にしていきたいし、季節も含めて変化する時は、カラダも変わっていくそうだから、それも味わって、その先の自分がまた新しくなれならいいなぁと思います。

羅針盤ブックスの本や、国分寺のまどそら堂さんの古書は、いな暮らし店内で購入することができます。

私たちが好きな雑誌や絵本なども本棚には並んでいます。

この秋は本とともにゆっくり過ごせていただけるよう、店も私たちも整えながらお待ちしていますね。

読んでくださり、ありがとうございました。

店主 鈴木ともみ

- 更新日:2020年09月24日(木)